みなと用語辞典[は]

背後地(ヒンターランド)

その港湾で取り扱う貨物の大部分の発生源、到着地となっている地域のこと。

排水トン数 displacement tonnage

船舶による排水容積に海水の比重を乗じた船舶の大きさを表す単位の一つ。積載可能量を考慮する必要性が乏しい軍艦等の大きさを示すのに用いられる。

ハイブリットケーソン

鋼板と鉄筋コンクリートを合わせて造るケーソンのこと。

泊地

港湾内で船舶が安全に停泊することのできる水面のこと。港湾法第2条に定められる港湾施設である水域施設の一つ。

はしけ(バージ)

停泊中の船と陸地との間や、離れた2地点間を往復して人や荷物を運ぶためなどに使われる船舶のこと。自分で航行する能力はなく、押し船や曳き舟とともに航行する。

バース

港内で荷役、旅客の乗降などを行うための岸壁、桟橋、ブイ及びドルフィン等施設の船舶係留場所のこと。「船席」ともいう。

パナマ運河

1914年に竣工した閘門式運河。全長65km、閘室は長さ335m、幅33.5m。

パナマックス

パナマ運河を通行し得る最大船型をいう。パナマ運河の場合、通行可能な船の最大幅は32.21mなので、幅型としては32.2mをとるのが普通であり、この船幅を取った船型がパナマックスと呼称される。この船型の場合、計画満載喫水は一般的に12m前後でありm6万~7万重量トン程度となる。

パブリックアクセス

港湾におけるパブリックアクセスとは、一般の人々が海やみなとへ自由に、安全に、かつ快適に行き来し、海や港の本来有する魅力を十分に享受する(楽しむ)ことをいう。具体的には、「海に触れる」「潮の匂いや波音を楽しむ」「海やみなとを眺める」「釣りをする」「マリンレジャーを楽しむ」などの行為を指す。

バラスト

船の水深(喫水)や、横方向・前後方向の傾きを調整するために船内に搭載する液体または固体のこと。主に海水が用いられる。

バラ積み船

石炭、鉄鉱石、穀物などの大量な原材料を、大きな船倉に入れて運ぶ船。バルカーともういう。バラ積み船の大きさは、ケープサイズ(15万重量トンクラス)、パナマックス(6~7万重量トンクラス)、ハンディサイズ(2~4万重量トンクラス)などにわけられる。

パラペット

波浪飛沫を防ぎ又は危険防止等の目的をもって護岸、堤防あるいは防波堤の上部に設ける壁、なお、胸壁を含む構造物全体を指すこともある。

バルク

穀物、鉄鉱石、石炭、油類、木材などのように、包装されずにそのまま船積みされる貨物のこと。

波浪

台風や冬季に発生する波。

ハンディマックス

中型の4万~5万載貨重量トン、これ以下はスモールハンディと呼ばれる。

バンニング

コンテナ内に貨物を詰め込む作業のこと。逆はデバンニングと呼ばれる。

PFI Private Finance Initiative(民間資金活用事業)

公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術能力を活用して行う手法。

B/L Bill of Lading

港湾における取り扱い貨物の船積の際に、貨物引き受けの証明として船会社や海運業者などが発行する船荷証券であり、重要な船積書類のひとつ。

PCC Pure Car Carrier

自動車専用船。自動車運搬船の中で、自動車のみを輸送する船舶のこと。

ビット

けい船柱ともいい、船舶を岸壁等に停泊させるときに船からのロープをつなぐ場所。

避難港

暴風雨に際し小型船舶が避難のため停泊することを主たる目的とする港湾。政令上は36港であり、港湾管理者の有無で見ると35港。全て地方港湾である。

FAZ法

正式名称:輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する特別措置法。港湾又は空港及びその周辺の地域において行われる輸入の促進に寄与する事業及び対内投資事業者の事業を支援するための措置を講ずることにより、国民経済及び地域社会の国際経済環境と調和のある健全な発展を図り、あわせて国民生活の向上及び国際経済交流の促進に寄与することを目的として、1992年に制定された。2006年5月に廃止。

FAL条約 Convention on Facilitation of International Maritime Traffic.1965(1965年の国際海運の簡素化に関する条約)

1965年にIMO(国際海事機構)で採択され、1967年に発効。海運をより円滑なものとするため、外航船舶の入出港、税関、入管、検疫等の諸手続及び必要書類の簡素化を図ることを目的としている。日本は2005年締結した。

フィーダーサービス

コンテナ船は輸送効率を高めるために、特定の主要港湾のみに寄港し、主要港湾以外で発生する貨物については、主要港湾で積替輸送を行っている。この場合の、主要港湾と寄港しない港湾との間の内航船、自動車、鉄道などによるコンテナ貨物の支線輸送をさす。

フォワーダー

荷主から貨物を預かり、船舶、航空、鉄道等による運送事業者を利用し、輸送を引き受ける貨物利用運送事業者のことで、一般的には国際輸送を取り扱う業者のこと。

複合一貫輸送

特定の貨物が、船舶、鉄道、自動車、航空機などの種類の異なる2つ以上の輸送手段により相次いで輸送される場合を複合輸送あるいは複合運送(combined transport)というが、この場合において、荷送人の戸口で貨物が詰められ、かつ封印された貨物を輸送の中継地で一度も開封することなく荷受人の戸口まで単一の運送人の一元的な責任管理のもとに届けることをさす。コンテナの普及により普遍化した。

プッシャーバージ

押し船(プッシャー)と箱船(バージ)が合体して運航する船。

埠頭

船舶が接岸して荷役、旅客の乗降を行う場所。埠頭は岸壁、物揚場だけを指すのではなく、接岸設備の背後に設けられている上屋、荷役機械、待合所など陸上施設を含めた広い範囲をさす。特定の者が利用する専用埠頭と不特定多数が利用する公共埠頭がある。

船揚場

小型の船を陸上に揚げるために設置する斜路。

フライ&クルーズ

主に海外でのクルーズ船による旅行のために、現地までの移動(往復又は片道)に航空機を利用する旅行形態をいう。

フリートレードゾーン(FTZ)

自由貿易地域又は指定保税地域と呼ばれる。一般的、統一的に明確な定義がないが、世界の各地域にあり、その地域の関税制度により、自由港(香港・シンガポール港等)、輸出自由地域(韓国、台湾等)、外国貿易地帯(米国)及び自由辺境地域という一般講学上で分類され、これらはそれぞれの国や地域経済に重要な役割を果たしている。わが国では、1987年12月9日に沖縄那覇市の一部が「自由貿易地域那覇地区」として沖縄開発庁長官より指定を受けた。

ブルーカーボン

海洋で生息する生物によって捕捉・吸収される炭素のこと。森林などの陸上生物によって吸収される炭素「グリーンカーボン」に対し、海洋生態系による炭素吸収の重要性を世界に広くアピールすることを目的に、2009年の国連環境計画(UNEP)報告書「Blue Carbon」の中で新たに命名された。

フルコンテナ船

コンテナのみを輸送する目的で専用のセルガイド(鋼鉄製の強靭な垂直レール)を有する船舶。

プレジャーボート

スポーツ又はレクリエーションの用に供するヨット、モーターボート及びその他の船舶。

フレートトン freight ton(FT)

港湾取扱貨物量の単位のこと。容積で1.133?か、重量で1,000kgを1フレートトンとして、どちらか大きい方で計算される。

防舷材

船の舷側の接触衝撃を防ぐために、岸壁などに取り付けられるもの。通常の岸壁ではゴム製のものが使用される。

防潮堤

高潮などで海水が陸へ侵入するのを防ぐための堤防や護岸。

防波堤

波浪から港内を保護し、港内の静穏を保ち荷役の円滑化、船舶の航行、停泊の安全及び港内施設の保安を図るため設ける施設のこと。港湾法第2条に定められる港湾施設である外郭施設の一つ

北極海航路

北極海航路は大きく2つあり、欧州からロシア沿岸に沿ってベーリング海峡に至る「北東航路」と、北極海の北米大陸側を通る「北西航路」がある。日本にとって「北東航路」はこれまでの欧州とを結ぶ「南回り航路」(マラッカ海峡及びスエズ運河経由)の6割程度の航行距離であり、商業航路としての経済効果が大きいと想定されている。

ホットデリバリーサービス

定曜日・定時でスケジュールを固定し、通関業務なども最優先で行い、本船荷役開始後2~3時間で貨物の引渡しを可能にするサービスのこと。

ボートパーク

放置艇の大部分を占める小型モーターボートを主たる対象に必要最小限の施設や機能を備えた簡易な係留・保管施設。運河、水路等の既存の静穏水域を活用して整備される。

ポンツーン

浮さん橋を構成する直方体の形をした浮体で,木製,鋼製,鉄筋コンクリート製がある。また浮さん橋そのものを指すこともある。

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