港湾空港長期ビジョン

「関西シリコンベイ構想~大阪湾港湾の基本構想~」

15年後の大阪湾の将来像を描く「関西シリコンベイ構想」策定

 平成17年9月28日、概ね15年後を目標とした大阪湾の将来のあるべき姿や進むべき大きな方向性を示した「関西シリコンベイ構想~大阪湾港湾の基本構想~」が策定されました。これは大阪湾内の重要港湾5港(神戸港・尼崎西宮芦屋港・大阪港・堺泉北港・阪南港)の港湾計画を改訂する際の指針となるものです。なお、シリコンベイの「シリコン」とはStrategic(戦略的)・International(国際)・Logistics(物流)・Community(共同体)の頭文字をとったもので「多様な産業クラスターから成る戦略的国際ロジスティックコミュニティの形成-東アジアを見据えて-」を目指しています。
 本構想では「活力」、「安全・安心」、「潤い」の3つを柱として将来像を描き、それを実現するために具体的な取り組みが示されており、今後様々な主体との意見交換や連携をとりながら、実現に向けて進めていきます。

大阪湾の将来像 Future Osaka Bay

活力

  • 東アジア諸国の隆盛やグローバルな企業間競争の激化の中、企業の競争力の強化や安価な生活物資の供給を図ることが必要
  • ターミナルの一体的な整備・管理・運営を図る阪神ポートオーソリティーを実現し、経済効果性や国際競争力の向上等を図る
  • 大阪湾の臨海部都市空間を東アジア経済圏等に開かれた国際ロジスティックスのコアゾーンとして位置づけ、グローバル化時代にふさわしい多様な産業クラスターの集積を目指す

安全・安心

  • 防波堤には波を防ぐ機能とともに、資産を譲る「防波堤」の機能も併用させる必要がある
  • 府県境を越えた防災体制の要となる基幹的広域防災拠点を大阪湾において複数整備
  • 大阪湾全域への防風・防波緑地の整備も課題検討(大阪湾セーフティ・コリドール)
  • 既存ストックの有効活用も含めた適切な維持管理によるライフサイクルコストの低減が必要不可欠
  • 改正SOLAS条約に的確に対応

潤い

  • 臨海部の"森"等を活用したエコトーン形成による生態系循環システムの再生
  • 港湾施設の改良時における環境共生機能の積極的導入
  • 「ゼロエミッション住居区」を設置し、社会実験を行うなどの先導的な取り組みも検討
  • 必要な廃棄物海面処分場を適切に整備するとともに、公平かつ多様な財源の確保等の観点を踏まえた新たな事業スキームを検討
  • 都市空間と港湾空間との"壁"を取り除く

将来像を実現するための具体的な取り組み

 物流  「大阪湾ポートオーソリティー」の形成に向けて

  • 阪神港における効率的なコンテナターミナル運営の実施
    • 個別自治体から独立し、次世代高規格コンテナターミナルとその関連港湾施設の一体的な整備・管理・運営を行う阪神ポートオーソリティーの実現を検討
  • 外貿コンテナ輸送、内貿複合一貫輸送への対応
  • 新たな貨物需要に的確に対応した地区別機能分担
  • 臨港交通施設の将来像
  • 水域施設・外郭施設の確保

 産業  臨海部の特長を活かした産業立地の促進

  • わが国経済を支える産業空間の地区別機能配置
    • 臨海部の大規模なオープンスペースを対象に新技術産業を誘致
  • 新たな展開を視野に入れた開発空間の確保
  • 産業創出・誘導に向けて
    • 産業活動に必要な岸壁・道路について、適切に整備
    • 港湾物流や臨海部産業の高度化に資する国際的学術研究機能の誘致を検討

 防災  くらしを護るしなやかな港湾空間の実現

  • 府県境を越えた防災体制の"要"の構築
    • 基幹的広域防災拠点を適切に整備
  • 耐震強化岸壁の配置
  • 津波被害への対応
  • 高潮・波浪等への対応
  • ソフト面の施策と体制の構築
  • 投資効果を最大限に発揮するためのアセットマネジメントの実施
    • 施設の点検や診断を定期的に実施し、健全性を的確に把握
    • 適切な基準に基づいて施設の維持管理を行う体制を早期に構築

 

 保安  国民が安心できる港湾保安体制の確立

  • わが国をあらゆる脅威から守るための施設の整備・充実
    • 改正SOLAS条約に対応し、監視カメラやフェンス等を早期に整備
  • まち、人々を脅威から守るためのソフト面の施策と体制の構築
    • 港湾セキュリティの向上を目指し、AISを活用した船舶の識別や、船舶動静のデータベース化等を早期に実施


 環境  次世代に残すべき港湾環境の保全・創造

  • 地球温暖化解決の一翼を担うために
    • 内航海運の利用促進や、複合一貫輸送網の構築を長期的に検討
  • 大阪湾における環境再生への取り組み
    • 大阪湾の環境再生の核として臨海部の"森"を適切に展開
  • 循環型社会の実現に向けた取り組み
    • 廃棄物海面処分場の適切な整備とあわせ、公平かつ多様な財源の確保等の観点を踏まえた新たな事業スキームを長期的に検討

 くらし  誇らしく、親しみやすいみなと空間の創出

  • 多様な人々に"潤い"を与える臨海部空間の創出
  • 人々のくらしを支える港湾機能の確保
  • 人々から愛される大阪港を目指して
    • 船上学習会、防災訓練、総合学習等による次世代の人材育成を早期に実施
    • フライアンドクルーズ等のクルーズ振興を早期に実施

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