最終継手工法
沈埋トンネルにおいて、沈埋函同士の連結には「水圧接合(水圧を利用して、沈埋函端面の外周に取り付けたゴムガスケットを圧縮することにより止水し、連結する工法)」とよばれる接続工法が主流となっています。
最終沈埋函の沈設時には、
沈埋函の動揺やゴムガスケットの揖傷防止のため遊間
水圧接合時にゴムガスケットが圧縮することによる遊間
が原因で最終的に間隙が生じてしまいます。(下図)
この遊間をなくすために行う継手を『最終継手』といいます。最終継手は沈埋函の製作・沈設工程とは別の工種『最終継手工』として行われるため、その工法によっては工期も長くかかり経済的にも費用がかかります。
Vブロック工法は、Vブロックと呼ばれるくさび形のブロックを沈埋トンネル最終継手に挿入し、ブロック上下に作用する水圧差と自重を合理的に利用して、ブロックの両端面を同時に既設の沈埋函に密着させ、止水を実現することに特徴があります。止水が完了した後には、継手内部の海水を排除し、Vブロックと既設沈埋函の内部を気中作業により剛結合します。
この工法は大阪港咲州トンネル、神戸港港島トンネルで採用されています。
キーエレメント工法は工期短縮のために最終沈設沈埋函を最終継手にした工法です。
最終沈埋函両端部に傾斜をつけることで、Vブロック工法と同様に上下面の水圧差と自重を利用して水圧接合します。最終継手を省略することができるため、工期・コストともに縮小することができます。
そのため、夢咲トンネルではキーエレメント工法を最終継手工法として採用しています。