
空の大動脈として人やモノを運び、私たちの生活を支える航空輸送。航空機が快適に飛び立って安全に着陸し、空港利用者が安心して利用できるよう、空港施設の整備や空港保安の強化対策を行っています。 |

日本万国博覧会の開催を控えて、大阪国際空港は昭和40年度から本格的な空港拡張整備にとりかかり、昭和45年2月にB滑走路、エプロン、道路・駐車場など主要施設のほとんどが完成しました。以来30年以上が経過し、年月の経過とともに航空機の大型化による施設の劣化が随所に発生しています。航空機の離発着や空港利用者の安全を確保するためには、これらの施設を最善の状態に維持管理することが必要で、現在、施設ごとに最適な技術・工法を駆使して改良整備を進めています。 |
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近年、各地で大規模地震などの災害が頻繁に発生し、災害対策の強化が課題となっています。災害時には道路や鉄道などが寸断され、重傷者の緊急搬送や救援物資の輸送が困難になりますが、新潟県中越地震では、空港が緊急物資・人員輸送の拠点として大きな役割を果たしました。このように災害時における空港機能の重要性が改めて見直されており、大阪国際空港でも緊急物資・人員輸送の拠点としての機能を確保し、航空ネットワークの維持や、施設の耐震性の向上、地域関係機関との連携強化を図っています。 |
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【エプロン・エプロン誘導路の改良】
エプロン・エプロン誘導路は、経年劣化や航空機の大型化に対応できず破損が進行しています。
このため、老朽化したコンクリート舗装版を撤去し、高強度なプレキャストPC版に置き換える改良工事を進めています。 |
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【ターミナル地区のバリアフリー化】
平成12年に制定された交通バリアフリー法(通称)に基づき、みんなが使いやすく、気持ちよく過ごせる空港旅客施設をめざし、バリアフリー工事を進めています。身障者用駐車場および、そこから大阪モノレール駅舎へ通じる歩道や、団体バス駐車場に屋根を設置し、施設内の段差をなくし、周辺道路の歩道の整備を行います。 |
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【空港土木施設の耐震化対策】
国土交通省航空局における「地震に強い空港のあり方検討委員会」のなかで、大阪国際空港は、「航空輸送上重要な空港」として指定されました。
これを受け大阪国際空港では、航空ネットワーク、背後圏経済活動の維持及び緊急輸送拠点としての機能維持を図るため、耐震対策を実施します。 |
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【雨水貯留施設の整備】
大阪国際空港の滑走路やエプロンなどの拡張、周辺自治体の市街化の進展による不浸透地域の増大により、平成6、9、11年の集中豪雨では空港ターミナルや駐車場などの空港旅客施設をはじめ、周辺の住宅地において浸水被害が発生しました。この状況に対応するため、大阪府と連携し、空港用地内に雨水を一時的に貯留する雨水排水貯留施設を整備しています。水路の水位が上がると雨水がこの施設へ流れ込み、浸水被害を抑制できます。 |
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【滑走路等改良】
1日に370回もの航空機の離発着を繰り返している大阪国際空港では、航空機の運航に影響を及ぼす恐れがある多数のわだち掘れ(※)やクラック(亀裂)が発生します。そのため、滑走路や誘導路の舗装を定期的に改良し、航空機の安全な運航を支えています。
※わだち掘れ…タイヤの通る部分だけがくぼむこと |
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【空港保安の強化対策】
近年、空港において不法侵入事件などが発生し、空港の保安対策の強化が重要になっています。
そこで老朽化した場周柵等を改良し、不法侵入の防止を図ります。 |
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エプロンなどは、あらかじめ工場で作ったコンクリートの大きな版をタイルのように敷き詰める「プレキャストPC版」による舗装工法を導入しています。従来のコンクリート舗装ではコンクリートが完全に固まるまで1ヶ月かかっていましたが、この工法は敷き詰めるだけなので限られた時間内で広い面積の工事が完了します。PC版の接合にはPC鋼棒を挿入し、PC版どうしを締め付けます。この復旧作業を日々繰り替えしながら工事を進めます。 |
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