岸壁ができるまでの流れ 日本初の鉄筋コンクリートケーソン
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日本初の鉄筋コンクリートケーソン




▲森垣 亀一郎

▲第2期工事の非対称ケーソン断面図
明治40年、神戸港第1期修築工事が始まり、 水深9メートル以上の岸壁を造ることになりました。
森垣亀一郎は、オランダのロッテルダムに派遣され最新工法を学び、 技術研究の結果、鉄筋コンクリートケーソンが採用されました。
これ以降、神戸港の築港にその生涯をかけることになりました。
第2期工事において在来の浮ドックやその他の設備では、 水深12mのケーソンは重量があり、吃水を浅くして進水させることが難しかったため、 非対称にすることで重量を軽くし、吃水を浅くしました。
この非対称ケーソンは、非常に綺麗な形をしており、 ヨーロッパの港湾関係書物にも紹介されています。

▲L型浮ドック

▲ケーソンの曳航
工事箇所の水深が-9m以上と深く、 従来のブロック積みなどでは工事ができなかったため コンクリートケーソンの採用が決定されたのです。
ケーソンは櫛型桟橋上で製造し、櫛型浮船渠で浮遊させる工法が決定されました。
これが日本初のL型浮ドックによるケーソン製造です。




ケーソンの進水方式は以下の図の通りです。

進水過程図工  法
ケーソンの製作が終わると、L型浮ドックを半ば沈めて、 函台の下にさし込む
浮ドック内部の海水を排水して上昇させ、 水平部に函台ごとケーソンにのせる
ケーソンが完全にのるとそのまま桟橋前面のドックプールに 引出し浮ドックに注水する
浮ドックに注水すると浮ドックは沈んで、 水平部上面がケーソンの吃水以上になると函台が水平部に残ったままで ケーソンは浮遊する。
ケーソンを引き出し、浮ドック内部の海水を排出して浮上させ 再び浮ドックを桟橋にさし込み函台をもとの位置にもどす