Google ウェブ全体を検索 神戸港湾事務所ホームページを検索
尼崎西宮芦屋港

みなとと私
押し花作家 徳本壹子(兵庫県高砂市在住)

 
  私は播磨の港町の寺院に生まれました。当寺は1493年創建ですが、さらに昔から他宗の寺がこの地にあったそうです。

山門は、大門の上に鐘撞き堂が載った形の「鐘楼門」で、除夜の鐘を撞きにこられた方は大変驚かれます。

戦国時代本願寺合戦の時、伊予水軍の将であった久門家が毛利方として織田水軍と戦い、敗れ、当寺に逃げ込んだ3兄弟の次男が、その後、商人となって船問屋を営み、千石船をもって繁昌したので、恩報じのためにこの鐘楼門を、寄進したと伝えられています。

父が幼い頃は、海から上ってきた船の荷を、揚げ降ろしするための船着場を持つ旧家が数軒あり、このあたりはとても繁盛していたそうです。しかし今では、港の石垣の一部が当時の面影を残し、微かに磯の香りや汽笛の音がきこえてくると、遠くに海を感じる程度になってしまいました。

海洋国家である日本。港は小さな商業集落と共に発展し、数々の歴史を乗り越え、時代の需要・用途に合わせて形を変えてきました。

近年では、港はもちろん空港・鉄道・道路の整備に伴い、日常生活でさえ利便性・高速化が追求されています。私たちは観光地に行くとき、一番速く名所を駆け巡るルートで、おいしいものを食べ、名産を買って満足します。しかし、最近、のんびり時間をかけた船旅や、資格取得など、他の目的や人との交流を加えた、旅行をする人が増えてきているそうです。

2月に神戸の港にある「神戸国産上屋」という2棟の倉庫が、100人の個性溢れるクリエーターたちの、ものづくり・展示・交流・販売など文化・創造のステージ「神戸波止場町TEN×TEN」として生まれ変わります。神戸は開港以来、外国との文化交流を通して衣食住をはじめ学問・宗教・道徳・政治・経済等だけでなく、芸術においても独自のスタイルをつくってきました。国際化で世界に目を向けるのも時代の流れですが、逆に、神戸の港から、ゆとりある交流の中で「これからの日本」を発信しようという「次世代のミナトまちづくり」に共感し、私も参加します。皆様との交流を通し、日本の伝統をベースに東洋・西洋文化の枠にはまらず、美しいものを美しいと感じる心を大切に、色々な角度から自分らしい豊かさのある「花の世界」を追求していきたいと願っています。簡単な体験やイベントも計画していますので是非遊びに来て下さい。

今、港本来の活性も必要ですが、流通に伴う地方色ある港間の交流や発信の場として、神戸を中心に、港の元気が地方の活性化に繋がることを期待しています。

 
徳本 壹子 プロフィール
徳本 壹子 (とくもと かずこ)
押し花作家。兵庫県高砂市出身。
平成元年龍谷大学短期大学部卒業。
「花笑み」をモットーに、花の表情をイキイキとさせるのはもちろんのこと、人の心にあたたかい笑みをもたらせる作品創りを心がけている。
「神戸波止場町TEN×TEN」参加クリエーター。
 
 
 

▲このページのトップへ
お問合せ・ご相談