
干潟(ひがた)とは一般的に、潮の満ち引きによって現れる、砂泥質の地帯のことをいいます。干潟(ひがた)は、河口などに広がる遠浅の海で、生き物の生息・育成空間としてだけでなく、川から海に流れ込む水の浄化作用に重要な役割を果しています。干潟(ひがた)には、川から運ばれる有機物が蓄積しています。そして、バクテリアや細菌が、微細な有機物を分解し、活性汚泥(かっせいおでい)を作り出します。その活性汚泥(かっせいおでい)を貝などの生物が食べ、その貝を魚や鳥が食べるという具合に、食物連鎖(しょくもつれんさ)というシステムで自然の浄化作用が成り立っています。これら生物の働きにより、海の水質は保たれてきました。しかし、水の浄化に大きな役割を果してきた干潟(ひがた)や浅場(あさば)が、高度成長期以降埋立(うめた)てにより減少してしまった結果、このような自然がもともと持っていた浄化能力を弱めることとなり、そこに暮らす生物も姿を消して、汚れた水の浄化力が弱まり、海の環境が悪化してしまっているのです。

食物連鎖