船舶・施工技術
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開発中の技術

大量流出油に効果的に機能する油回収器の開発

開発の目的

昭和49年度から海洋環境整備事業が事業化され、浮遊ごみの回収、流出油回収作業ならびに水質調査が実施されてきた。海洋環境整備事業が始まった当初は、船舶から油分を含む排水が無処理のまま投棄されることが多かったが、最近は「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」の強化に伴い、浮遊油の大半がナホトカ号やゴールドリーダー号(明石海峡)の事故のような船舶の衝突や座礁に伴うものとなってきた。今後は大阪湾再生への取り組みの一環として、加えて大規模地震によってタンカーや石油コンビナートが被災し大量の油が流出することも想定して、海洋環境整備船の一層の強化を図っていくことが必要である。
本開発は、このような背景の下、海洋環境整備船の一層の強化に資する目的で、大量油流出事故等の緊急出動時に効果的に機能する多機能型の油回収装置の開発をめざした。

浮遊堰式油回収器のイメージ図
浮遊堰式油回収のしくみ

開発技術の特徴

油回収機は様々な形式が利用されており、近年では油分濃縮型の浮遊堰式油回収機(低・中粘度浮遊油用)が開発され、2隻の海洋環境整備船に搭載されている。本開発では、既存の油回収機をベースにした付加機能(管摩擦低減機能、油分散処理機能)を開発することにより、従来の油回収機能は維持したまま、対応できる流出油の処理範囲が拡がり、被害を今より小さくする効果がある。

開発成果の概要

  • 平成21年度〜平成22年度の2ヶ年にわたり技術的検討を行なった。
  • 平成21年度 油回収装置(付加機能部分)の要素技術検討
    (油処理剤注入による管内摩擦損失低減効果の確認、管路内で油と油処理剤を混合し高圧水で攪拌することによる分散処理効果の確認)
  • 平成22年度 油回収装置(付加機能部分)の活用技術検討
    (付加機能部分の基本仕様・機器構成等の立案)

以上、2ヶ年にわたる開発試験の結果は、以下のとおりである。

管内摩擦損失低減効果
油処理剤(3種類)を少量注入することにより、実験では管内の圧力損失が低減される効果が確認された。
分散処理効果
管路内で油と油処理剤を混合し、水ジェットエダクターにより攪拌することで、分散処理効果が確認された。
基本仕様検討
上記効果について追加確認、並びに実機における機器構成等の基本仕様を検討中である。