技術開発・設計

設計

係留施設

高規格コンテナターミナル

日本は、世界の様々な国と貿易を行っています。貿易貨物量の99.7%は港湾で取り扱われており、港湾は貿易の中心的な役割を担っています。

近年、貿易貨物を運ぶコンテナの輸送を円滑に行うため、コンテナ船の大型化が進んでいます。地域経済の国際競争力確保のためには、コンテナ船の大型化に対応した大水深岸壁が必要となります。大水深化することにより、大きな船が着岸できることで、コンテナの大量輸送が可能となり、貨物の積降ろしに必要となる時間が短縮できるとともに、輸送コストも低減できます。

近畿では、阪神港として大阪港、神戸港がスーパー中枢港湾の指定を受けており、両港が連携することで、世界のトップクラスのコスト、スピード、サービス水準の実現を目指しています。このうち、スーパー中枢港湾としての中心的な役割を担うC12岸壁(大阪港夢州)、PC18(神戸港ポートアイランド)の2つの大水深岸壁の早急な整備が望まれています。


大規格コンテナターミナルのイメージ図

係留施設の分類

岸壁の分類図

代表的な防波堤の形式を紹介します。


重力式岸壁

<概要>

重力式岸壁は、土圧、水圧等の外力に対して、壁体重量とその摩擦力によって抵抗する構造です。


<特徴>
  1. 壁体には、通常鉄筋コンクリート製のケーソンが用いられるため、堅固で耐久性に優れています。
  2. 水深が大きくなると、土圧、水圧等の水平外力が大きくなるため、壁体として必要な重量も急激に大きくなります。したがって、大きな支持力が期待できない軟弱な地盤では、地盤改良を必要とすることが多くなります。
  3. 地震時においては、壁体質量に比例する地震力が外力として働くので、他の構造形式に比べて大きな断面が必要となります。
  4. ケーソンヤード、ブロックヤード等の広い陸上製作施設が必要であり、起重機船、曳船等の作業船団も必要となります。したがって、少量かつ短期的な工事の場合には、これらの施設のないところでは不経済になることが多くなります。
  5. 計画水深に比べ現地盤水深が浅いと不利になります。
重力式岸壁イメージ図

横桟橋式係船岸

<概要>

横桟橋式係船岸は、一般に土留護岸の前面に杭等の支柱の上に、床版を載せた桟橋を設けたものです。

<特徴>
  1. 地盤が軟弱なため、重力式岸壁にすると、地盤破壊を起こしてしまうような場合に適しています。
  2. 既成護岸の前面を前出しして係船岸を設けたり、水深の小さい係船岸を増深したい場合に、在来施設を土留護岸として利用することができます。
  3. 将来に増深計画がある場合は、杭の根入れを深くしておくことで対処することができます。
  4. ある程度波浪のある場所に桟橋を建設した場合、床版及び渡版に上向きの波力が作用して破壊することがあります。
  5. 横造が土留部と桟橋部の2種類の組合せとなり、工事工程が複雑となります。
  6. 大きな集中荷重がある場合は不利になります。
  7. 水平力による変位量が比較的多くなります。
横桟橋式岸壁イメージ図

新しく開発した形式の係留施設を紹介します。


斜底面ケーソン式岸壁

斜底面ケーソン式岸壁は、堤体となるケーソンの底面に勾配を設けることが特徴であり、底面の陸側を深くすることにより、背後土圧や地震力に対する滑動抵抗力を増大させることができます。従来のケーソンより堤体幅を狭くすることができるため、特に地震による外力の大きい耐震強化岸壁の建設費を縮減することが可能な画期的な技術です。

斜底面ケーソン式岸壁は、和歌山県の日高港の岸壁(-12m)で採用しています。

上部パイラー形式防波堤は、日高港の防波堤(西)で適用しています。


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斜底面ケーソンのイメージ図
斜底面ケーソンのイメージ図