技術開発・設計
トップページ > 技術開発・設計 > 浮遊ゴミ予測システム

浮遊ゴミ予測システム

はじめに

海上に浮遊するゴミ等は海洋環境を悪化させ、海洋景観を損ねるとともに船舶航行に重大な支障を及ぼします。このため、昭和49年からゴミ回収等の海洋整備事業を直轄事業として実施しており、瀬戸内海東部海域において、神戸・和歌山及び小松島(四国地方整備局)の各事務所に所属する海面清掃船で坦務海域毎に作業を実施しています。


浮遊ゴミの現状 清掃船での回収状況
浮遊ゴミの現状 清掃船での回収状況

下の図に示される坦務海域の浮遊ゴミ回収作業を、神戸港湾は2隻、他の2つの事務所は1隻の清掃船で担当しています。浮遊ゴミの回収率向上を目指して、坦務海域毎に独自の浮遊ゴミ予測システムを構築・運用してきましたが、これらの予測システムを基に、新たに瀬戸内海東部海域という広域を対象とした予測システムの開発を行いました。


各事務所担当海域
各事務所の坦務海域

浮遊ゴミ予測システムの内容
予測手法

予測総合システムは、各事務所で実績のあるゴミ発生予測モデル(統計的手法)とゴミ追跡予測モデル(物理的手法)の両モデルを融合して構築しました。ゴミ発生予測モデルの作成にあたって、周辺のアメダス50地点の風向・風速・降雨量、10カ所の潮位、8カ所の河川流量を、1時間ごとに48時間遡って検討を行い、ゴミ追跡予測モデルについては、潮流、密度流、吹送流、風圧流の4つの項目について検討を行いました。


システムの概要
システムの概要

予測結果の表示

予測結果は、推定に利用したメッシュ内の色の濃さで期待値を表し、追跡結果は、ゴミの種類による拡散を考慮して点の分布で表示されます。


予測結果表示画面
予測結果表示画面

浮遊ゴミ予測システムの効果

各清掃船には坦務海域が決められているため、それぞれの坦務海域内で浮遊ゴミ回収作業を行っていますが、本システムの追跡予測では、広域的に予測を行う事によって、清掃船が取り残したゴミが坦務海域を越えた場合、システムからの情報により、その海域を担当する清掃船が取りに行く事が可能となりました。

清掃船間、整備局間の情報を共有して連携を行い、事務所個々のシステムでは不可能であった、担務海域を超えたゴミ収集が可能なシステムが構築できたことは、海洋環境整備という公海上の作業にとって非常に有意義なものとなっています。


システムの概念図
システムの概念図